イギリスSussex大学のオンライン修士コースを受講しています
現在イギリスのSussex大学のオンライン修士コースを受講しています。
入学までの流れと実際の授業の様子を纏めました。
オンライン大学院ってどんな感じだろう、という方の参考になれば幸いです。
(※あくまで現時点での個人の体験ベースの話なので、正確な情報は大学ホームページやアドミッションへ確認してください。)
<目次>
1.Sussex大学のオンライン修士を選んだ理由
元々夫の留学帯同中に修士を取得することを考えており、オンキャンパス含めて検討していました。
夫の留学先がフランスかスペインに絞られた段階で出願先をフランスのScience Po(オンキャンパス)とSussex大学のオンライン修士にしました。
スペイン現地の大学院も考えましたが、英語で履修できるコースが少なかったこともあり、QSランキングの開発学で世界一のSussex大学なら安心だろうと思いSussexにしました。
SNSで既にSussexのオンライン修士受講中の方がいたのも参考になりました。
2.出願〜入学まで
時系列としては以下の通りです。
20年10月:IELTS勉強開始
21年4月:IELTS 7.0(R 8.0, L 7.5, W 6.0, S 6.0)取得(※1)
21年11-22年3月:出願準備(※2)
22年4月10日:Sussexへのapplication完了
22年4月13日:Sussexから電話インタビュー(※3)
22年4月20日:Sussexから電話で合格連絡
※1:受講中のコースはIELTS6.5が要件です。
※2:先述の通り、元々SussexのほかにフランスのScience Poのオンキャンパスコースも出願していました。
そちらはエッセイに加え推薦状2通も必要だったので、大学院留学コンサルティングさんにサポートをお願いして準備を進めていました。
SussexオンラインコースはPersonal Statement(エッセイ)も短く、推薦状も不要なので、自力+ネイティブチェック位で対応可能かと思います。
※3:Sussexのホームページにはインタビューがあるとの記載はありませんでしたが、アプライしたコースへのモチベーションを聞かれるなど、なんだか選考(の補強)に近いものを感じました。
基本的にはPersonal Statementに書いた内容をそのまま話し、「よく分かったわ、ありがとう~」みたいな感じで電話は終わりました。
3.コースの内容
詳しくはホームページに書いてあるので、書いてなかったであろうことをメインに記載します。
・ターム中のモジュールは1科目。1タームは7週間続き、その後約2週間のブレイクがある。
・モジュールの基本構成はLive session、Key concepts、Reading、Discussionボード。
Live session:大体週に1回1時間半。曜日はまちまち。時間帯はタイムゾーンごとに3回設定されていることが多く、好きな時間帯を選べる。録画視聴も可。内容は講義とディスカッション。ブレイクアウトで少人数でディスカッションすることも多い。
Key concepts:毎週Readingに関連した講義ページがあり、Web上には120分/週となっている。
Reading:EssentialとRecommendあり。Essentialは毎週30~50ページ程度。その他、Live sessionの予習として指定される文献があることもある。
Discussionボード:毎週の課題(Reflection)を投稿したり、その他自由に書き込めるページ。
・評価対象の課題は2~3つ。1つ目はグループ課題/ショートエッセイ/試験のいずれか、2つ目はエッセイ(2000文字)のことが多い。
4.勉強時間
ホームページ上では週20時間の勉強を推奨しています。
実際の私の勉強時間は、モジュール前半は週10数時間、エッセイ課題に取り組むモジュール後半はもっとかかっているかなというところです。
私はEssentialのReadingしか読んでいませんが、Recommendのものも含めしっかり読み込んでいくと、やはり20時間くらいは必要なのだろうと思います。
5.よくある質問
これまでにいただいた質問や想定質問に答えます。
・オンキャンパスで講義は受けられるの?
→受けられません。オンキャンパスとオンラインは完全別コースになっています。
・大学の図書館(現地)は利用できるの?
→オンライン学生用に登録すれば利用可能なようですが、まだ使ったことはありません。普段はオンラインのLibraryを使っています。
・学生同士の交流はあるの?
→WhatsAppグループがあり、コースに関するちょっとした疑問からキャリアの話、先日はワールドカップネタなど、日々そこそこチャットが飛び交っています。先日はZoom会も実施されていました。Live sessionがあり、よく発言する人は顔と名前が印象に残ります。LinkedInで繋がった人も何人かいます。
→サセックス大学日本事務局の方が「オンライン修士でも奨学金もあります」と書かれていたので問合せをし、教えていただいた連絡先にコンタクトしましたが、そこでは「奨学金の話は分からない」と言われ、結局もらっていません。
他でもらえるところがあるのかもしれませんが、調べるのが面倒で少し調べて諦めました。
・卒業式はあるの?
→年に2回卒業式があり、オンライン修士の学生も出席できるようです。卒業できた暁には渡航したいです。
・いつ勉強時間しているの?
→帯同中で平日の日中時間があるので、主に平日の午前中に勉強し、土日はほぼオフにしています。エッセイを書いている時は夜執筆することも多いです。
元々パートタイムの社会人向けコースとなっており、フルタイムに比べれば負荷は少ないですが、同級生からは「fulltime jobとmasterの両立しんどい…」との声も聞かれるので、仕事しながらだと結構大変そうだな、という印象です。
・授業にはついていける?
→学習のメインはReadingで自分のペースで読み進めることができ、難しい数式なども出てこないので、内容が全く理解できなくて困るということはあまりないです。ただ、Live sessionのディスカッションで他の学生が何言っているのか分からないことは結構あります。
・英語でアカデミックなエッセイを書けるか心配なんだけど…
→コースとは別にStudent Supportというのがあり、リサーチやアカデミックライティングの講義を聞くことができます。また、あるコースでは「優れたエッセイよりもコース内容をよく理解して書かれたエッセイを評価する」と明記されており、Readingをしっかり読み込んで書けばそれなりの評価をもらえるようです。
実際、私のIELTSのWは6.0ですが、これまで受けた2モジュールのエッセイではDistinction(優)をもらうことができました。
また、エッセイのドラフト添削はしてもらえませんが、採点時にはフィードバックコメントもついているので、エッセイとして良かった点、いまいちだった点、改善点はざっくり把握できます。
・MBAにしなかったのはなぜ?
→興味がわかなかったから&GREに挫折したからです。経営・会計系に全く興味がわかず、理数系が苦手すぎてGREを断念しました。MBAのコースも色々見て結構迷ったのですが、MBAを選ぶ理由を考えてみると「その方がつぶしが利きそうだから」というのが一番で、そんな理由なら興味関心がある分野にしようと思い今のコースを選びました。結果、関心がある分野なのでReadingも興味深く読めるので正解でした。費用的にも半分くらいです。
・途中で中断できたりするの?
→コースはMax4年となっており、その範囲内であれば中断できます。私も今年の夏休みはスキップしようと考えており大学側に相談中です。ただ、当然ですがその分卒業は遅くなりますし、私の場合はモジュールの都合上1か月休んだら卒業が数か月遅れる上に学費も若干高くなるそうです。
・大学院卒業後、すぐに生かせる専門性やスキルは身につく?
→今のコースで学んでいるのは主に社会科学系の理論なので、プログラミングのようなすぐに生かせる実践的スキルというわけではありません。ただ、理論を学ぶことで物事を分析的・批判的に見たり、これまでの潮流の中に位置づけて整理できるようになることは、関連分野で働くうえでプラスになるだろうと思います。
また、そもそも修士号が必須のポジションも結構あるので、そうした職への門戸が開かれるという意味でも価値があると考えています。
6.まとめ
オンライン修士コースを始めて数か月のこれまでの体験をもとに記載してきました。
海外の大学院はレベルが高そうでやっていけるかな…と少し心配していましたが、なんとかやっていけそうだなという感じです。
(ちなみに大学院にアプライする前はCourseraのオンラインコースをいくつか受講していました。いきなり大学院だとハードルが高いという方はチェックしてみると良いかと思います。)
オンラインなので学生間の接点はあまりないかなと思っていましたが、Live sessionやグループワークで国籍も職種も年齢も多種多様な学生たちと一緒に学び取り組むことができ、日々気づきや学びがあり、楽しいです。
無事卒業できるまで、引き続き頑張っていきます。
それでは。